企業の面接で、冒頭に「それでは、自己紹介をお願いします。」と聞かれたことのある人が多いと思います。面接では、ほぼ例外なく求められる自己紹介をどのように行うかは採用されるための第一歩となります。
自己紹介とはいっても、どのようにアピールすれば企業の目にとめてもらえるのでしょうか…?
今回は転職時の面接場面に焦点を当てて解説をしていきます。
企業が見ているのは印象
自己紹介をお願いします、と言われたからといって、5分10分と自分について長々と話すのはNGです。
なぜなら、企業は自己紹介の内容ではなく、あなたの第一印象やコミュニケーション能力を知りたいのです。
自己紹介って難しいですよね。自己紹介を、と投げかけられてもなにをどう自分について説明しようか、限られた面接時間のことを考えると頭が真っ白になってしまうのが普通です。面接官もその心理状況はわかっているのです。
その心理をふまえて、面接の自己紹介では、あなたが自分についての要所をわかりやすく、おおまかに、どのように伝えてくれるかという事を、面接官は見ています。
そして、話している時の表情や仕草、話し方を見て会社にふさわしいかどうかの判断材料にしているのです。本当に聞きたいことは質問として、すでに企業が用意しているのです。自己紹介の時点で長々と全てを話す必要はありません。
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ファーストインプレッションを良くする
面接という短い時間のなかで、良い印象を与えるためには、最初の印象が重要です。自己紹介は、大抵、面接の一番最初、始まってすぐに行われるものであり、まさしくファーストインプレッションを決定づけるものとなります。
ファーストインプレッション、すなわち第一印象を高めるためにはやはり見た目の印象が大切です。
スーツにシワがよっていないか、靴は磨かれているか、女性であれば、ストッキングに毛玉がついていないか、ヒールにキズがついていないか…など。そんな細かいところまで?というところを、面接官はしっかりと見ています。
企業のなかでは、面接官は耳たぶのピアスの穴の数までも見ていて、片方に2つ以上開いている人は採用を見送る、という事を徹底しているところもあるくらいです。
見た目が印象付ける第一印象の割合は約8割だとも言われています。
悪い印象を与えてしまえば面接は絶望的だといえますが、いい印象を与えることが出来れば、その面接は8割クリアしたといっても過言ではないかもしれません。
自分が面接官になったつもりで、自分の見た目を厳しくチェックしましょう。
話す内容は自分のあらすじ
映画や小説のだいたいの内容を説明するときに用いられるあらすじ。物語の中の起承転結が簡潔に説明されていますよね。
面接での自己紹介は自分のあらすじを説明するつもりで準備をしましょう。
- 起…自分の性格や強み、前職に入社した理由
- 承…いままでの経験、学んだこと
- 転…なぜ転職をしようかと思ったのか
- 結…今後やってみたいこと、目標
上記は例ですが、このような内容を2~3分程度でまとめられるように、自己紹介の内容を準備をしておきましょう。
「2~3分なんて短い時間でいいの?」と思うかもしれませんが、面接の時間は限られています。企業が用意している質問に充分に答えることの出来る時間を考えると2~3分で充分だといえます。
好印象を与えるコツ
企業としてほしい人物とは、真面目に仕事をしてくれる人、コミュニケーション能力のある人、責任感のある人です。面接でこれらの印象を与えるために、どのように自己紹介の中で、アピールすれば良いでしょうか?
口角をあげる
明朗で、コミュニケーションに長けている印象を与えるには笑顔が不可欠です。ですが、あまりにこにこしてしまうのも調子の良い人という印象を与えかねません。
笑顔にも種類があります。大笑い、微笑み、微笑、苦笑…など。面接に関しては顔全体で笑う必要はありません。笑うと自然と目が笑目(えめ)になりますが、笑目を我慢して口角だけ自然とあげるようにしても充分笑顔にみえるのです。
面接では、口角をあげてはきはき話すようにする位の笑顔で充分です。
ただし、笑顔が重要な接客、サービス業に関しては笑顔がアピールポイントになることもあります。
責任感をアピールする為の目線
人は、やましい事があると人の目をみられなくなります。逆に、自信のある人はしっかりと目を見て話すことが出来ているのです。
もちろん、初対面の相手だと緊張して目が見られない…といった恥ずかしさもあります。ですが、転職の為の面接で恥ずかしいとは言っていられませんよね。
目線があちこち定まらない人と、しっかり顔を見て話が出来ている人と比べてみると、内容は同じでも後者のほうが、説得力があるのです。目線ひとつで好印象が与えられるのであれば、これを使わない手はありません。
恥ずかしがりの人も面接では勇気を持って相手の目を見るということを心掛けましょう。
意外とみられている手先
つっかかること無く受け答えができた、しっかりと目をみて話すことが出来た!ですが、ここで安心するのは早いのです。
話の内容や目線のほか、自分の心理状態が表れやすいところがあります。それは手・指先です。
手や指先で何がわかるの?と疑問に思うと思います。
想像してみてほしいのですが、同じ内容の話、同じ声の大きさの人が二人いるとします。
一人はジェスチャーが多く、手を膝に置いていても指先がパラパラ動いていたり、何かと動きが多いです。もう一人は手をしっかり膝に置いて、指先までしっかり落ち着かせている様子です。
どちらに責任ある仕事をまかせたいでしょうか?
普段の会話ではジェスチャーの多さや、少なさは気にしないと思います。むしろ、多いほうが、話がわかりやすかったり、親しみやすい印象が得られているかもしれません。
面接でもコミュニケーションの有無を判断してもらうのに、親しみやすさを伝えることは大切です。しかし、優先順位をつけるとなると「責任感 > 親しみやすさ」、なのです。
それに、自己紹介のなかで、親しみやすさをアピールするのであれば、前項でお話した表情や話し声で充分伝わるのです。
距離によって声の大きさを変える
面接では、はきはき話すことが大切ですが、はきはき=声を大きくすることではありません。
口角をあげて、口をしっかり動かしていれば、相手にはしっかり聞こえます。面接官との物理的距離が近いにも関わらず大きな声で話しても空回りしてしまいかねません。
どの位の声量だと相手に好感をもってもらえるかを判断出来るように、日ごろから自分の声について興味をもっておくと良さそうです。
声の大きさとはすこし話題がそれますが、自分の話し方を研究するのに、ご自身の声を録音してみるのはとても効果的です。
例えばビデオを見返したときに自分の声が入っているのを聞いて「これが自分の声?!」と恥ずかしい気持ちになりませんか?ですが、それが相手に聞こえている声なのです。
自分が発している声と相手に伝わっている声は自分がびっくりしてしまうほど違いがあるのです。声質はもちろん、録音することによって話し方の癖にも気がつく事ができます。
普段は気がつかない独自のイントネーションや、面接にはふさわしくない口ぐせが、録音を聞くことによって第三者の目線で添削することができます。
とくに、これらの癖は面接で予想外の質問をされたときに出てしまいがちです。しかも、話し方の癖に関しては友人も指摘しずらいため、自分ではほとんど気がつく事ができないのがやっかいなのです。
もし、自分の会話を録音できる機会があるのなら、自分はどのような声や話し方で会話をしているのか研究してみるのも勉強になりますよ。
まとめ
今回は転職の面接時の自己紹介を行う際の注意点やポイントについてお話しました。
面接においては、ほぼ例外なく、自己紹介を求められますので、ご準備されておくのが大切です。この最初の段階を上手に行えるようになるだけでも、面接が非常に楽になるでしょう。
自己紹介の内容もよりも、重視されるのは第一印象だということがわかっていただけたかと思います。
第一印象を高めるために、上記を参考にしてみてくださいね。