転職活動に取り組む時には、多くの不安を抱えるものです。初めての人もいれば２回目以降の人もいますが、共通している心配な点は「次の転職がうまく行く保証はどこにもない」ということと、失敗しても引き返せないということです。
一度、現在の会社を辞めて転職すれば、その後、「転職に失敗したと言って後悔しても先に立たず」です。
そのため、できるだけ失敗しないように多くの人がさまざまな準備をして転職活動に臨みます。コネや自分の経験、転職エージェントの選定に至るまでその範囲は非常に広範です。
この記事では、転職活動をしたいと考えている人が失敗しないために、どのような点に気を付けるべきなのかをまとめました。転職を考える方の参考になれば幸いです。
1.転職の目的を定める
初めに紹介する転職の失敗を防ぐための方法として、転職の目的を定めることが考えられます。転職の目的とは、「何を実現したいから転職するのか」ということです。
この部分をおろかにして、漠然と転職活動に取り組み始めてしまう人は非常に多く、結果として自分の納得のいく転職活動ができなかったということがよくあります。
そもそも、なぜ転職活動をしたいのか、という問いに答えることができなければ満足な転職活動ができないばかりか、選考に臨んだ際に応募先の採用担当者からやる気を疑われてしまうことにもなります。
転職したいと考えた転職希望者の理由の多くは以下のいずれかとなることが多くなります。
①キャリアアップ＆その結果として年収アップ
②今いる職場環境から脱出してよりよい環境で勤務したい
この2つの目的が、転職理由の大部分を占めています。
年収アップを目的とする転職まず年収アップを狙うパターンです。こちらは転職希望者のおよそ半分以上がこの理由で転職活動をしています。同じ業界のさらに高い位置の仕事をしたいと考え、これが結論として年収を上げることにつながっていきます。
転職前の企業内では、役割や、役職が固定化されてしまい、キャリアアップの機会がないという方もいるでしょう。一方で、他の会社であれば、その機会を見つけられることもあるでしょう。
転職はキャリアアップ、及びその結果として年収を増加させるためのチャンスになります。
しかし、年収増加を狙う転職には注意点もあります。
転職活動の結果、仮に中途採用されたとしても、年収は基本的には下がる可能性もあります。これはその企業における勤務年数がまったくないために、いくら能力があっても、思った以上に年収が上がらないためです。
少なくとも、転職1年目は、賞与支給額が少なくなってしまう可能性があります。一般的に、賞与は給与の後払い的な位置づけであるため、転職者に対する初回の賞与支給額は少なくなってしまうことが多いのです。
また、業務においても、結果が出てくる時期は、転職に成功して少なくとも3年程度経過して、はじめて明確な差が生まれます。この時をもって、転職に成功したと考えることができます。この場合は、目先の年収額を追いすぎないようにすることが大切です。
なお、転職直後の年収を下げないためには、転職前に、転職先の企業と年収面の交渉を行っておくことが大切です。この時、ご自身では難しいことも多いため、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
転職エージェントは、転職者の代わりに、年収などの条件面の交渉も行ってくれます。転職の失敗を避けるためには、転職エージェントを最大限活用するにようにしましょう。転職エージェントの活用によって、年収面に関する失敗リスクを減少させることができるでしょう。
<関連：転職エージェントを活用するメリット>
職場環境を変える転職目的次に職場環境を改善する転職のパターンです。こちらは20代から30代前半といった比較的若い世代に多くみられる転職理由です。
わかりやすく考えれば、ブラック企業に就職してしまい毎日の勤務が非常に厳しいために、この環境を脱出してよりまともな企業に就職することを目指すといった転職があげられます。この場合、転職の失敗とは、転職したのに職場の環境が変わらなかったということを指します。
基本的にはこの目的を達成するために、年収額の改善は二の次になることが多いです。年収額が多少下がっていても、人間関係が良好で、職務内容がそれほど厳しくない環境を目的とする転職なります。
「ワークライフバランス」が求められる現代において、昔のように「猛烈に働くことが美徳」と考えられている会社が多いため、こういった転職目的も多くなります。
職場環境を変えることを目的とする転職の場合、転職活動終了直後から結果を体感することができます。
いわゆるホワイト企業を探すことはなかなか難しい面はありますが、転職エージェントなどをフル活用して見つけていくことが考えられます。
また、転職エージェントを活用する場合、転職エージェントは企業の内情に関する情報も保有しているため、ホワイト企業を見つけやすくなります。特に、転職エージェントは、中途採用の多い会社、つまり、退職者の多い会社も把握しています。そのため、転職エージェントを活用することで、転職に失敗する危険は低く抑えることができるでしょう。
その他の転職目的これ以外の例外的な理由として、親の介護などの理由で、地方にUターン転職をする必要が出たために不本意ながら転職することにした、といった例が考えられます。
この場合は特定の地方で勤務することを目的にしているために、通常の転職活動とは少し方法が異なります。
一般的な大手の転職エージェント用いると、特定地域の情報はなかなか発見しにくい傾向にあります。先に退職して、地方に戻ってから、その後就職活動すれば良いと考える方もいますが、この時、転職先が見つかるまでに時間がかかってしまうという失敗が考えられます。
都心から地方に移ると、その分、転職先の候補企業も減少する可能性が高くなります。なかなか見つからないと、条件を悪化させて、とにかく働ける先を探すという結果に至ることもあります。
こういった失敗を犯さないよう、前もって転職先を探しておくことが大切です。
そのため、地方特化型の転職エージェントを用いたり、ハローワークなどの地域密着型の職業紹介サービスを用いることが大切です。
2.転職エージェントを選ぶ
失敗を防ぐための方法として、利用する転職エージェントを選ぶことが大切です。転職エージェントは、そもそも応募する企業を選ぶフィルターとしての機能や、転職活動・内定の可能性を高めるサポートも実施してくれます。
失敗を避けるために転職エージェントが重要となるのは、転職エージェントは、それぞれのエージェントで活動内容や提供しているサービスが千差万別であり、さらに、得意や、強みのあるサービスが異なっているためです。
特定業界に強い転職エージェントから、幅広い業界に薄く・広く強い転職エージェント、若手に強いエージェント、中堅以上の世代に強い転職エージェントなど、様々なところがあります。
そのため、ご自身にあった転職エージェントを考え、選別して利用することがおすすめとなります。
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転職エージェントの選び方転職活動に取り組むタイミングは、人によって全く異なります。時期も違えば、年齢も異なります。
就職活動は基本的に大学の3年生から4年生にかけて、皆が一斉に取り組むことと比較して、転職活動は年齢も立場もバラバラの状態で始めることになります。
このため、転職エージェントもそれに対応するために、世の中には様々な種類の転職エージェントがあります。
大きく分けても大手の転職エージェントと中小規模の転職エージェントがあり、さらに総合的に求人案件を提供する場合と、特定の内容に特化した求人案件を提供する場合があります。
自分が備えている属性をきちんと考えて、利用する転職エージェントを選択することが大切なのです。
年収アップを転職活動の目的としている人は、ハイキャリア案件を専門に扱っている転職エージェントの利用がすすめられます。その分、転職希望者に求められる能力も高いですが、優良な案件を紹介してもらえるためです。
職場環境の改善を転職活動の目的としている人は、その特性に応じてさまざまなパターンが考えられます。特定の業界で働きたい場合は業界特化型のエージェントを利用することが適切ですし、そうでなければ大手の転職エージェントを利用することが適切です。
特定地域での就職を転職活動の目的としている人は、地域特化型の転職エージェントを利用することがおすすめです。こうした転職エージェントは、地域密着型の情報力をもってネット上には掲載されていない情報を所持していることが多いためです。
このように、自分の立場によってどのような転職エージェントを利用することを決めることが、転職活動の失敗を防ぐことにつながります。
3.応募書類を作り込む
次に紹介する失敗を防ぐための方法として、応募書類をきちんと作成することを取り上げます。具体的な内容として、志望動機、自己PR、そして職務経歴書の3つの部分が主に対象になります。
志望動機は述べるまでもなくその企業に入社したい理由を述べるものです。新卒の学生と比べて社会経験がある分、より説得力のある文章を記載することが求められます。
自己PRは自分の備えている優れた能力のうち、企業の活動に関係しているものを述べる部分です。営業職であれば具体的な数字を交えた実績を紹介し、技術職などであれば自分が携わったプロジェクトの内容などを主な内容にするとよくなります。
作成がもっとも困難だと言われている内容は職務経歴書になります。これは新卒の時にはなかった、転職活動のときにのみ求められる能力であるためです。
転職活動中の人を採用する採用担当者は、志望動機や自己PRよりもこの職務経歴書を重視している場合が極めて多いです。なぜならば、多くの場合即戦力の人材を求めているためです。
そのためどのような経験とキャリアを積んで仕事をしてきたのか、ということをアピールする職務経歴書の内容で判断することが多くなるためです。
また、3つの応募書類全般に言えることとして、「内容」だけでなく、「論理構成」や「作り込み」度合いも重要になります。採用する企業側は、「地頭の良さ」や、重要なことに誠実に取り組む方かも見ています。話す内容自体は応募者毎に異なり、その内容に点数を付けることは難しいため、内容に納得感があるかどうかが重視されることもあります。
これらの内容は、どの項目も転職エージェントを利用すればアドバイスをもらうことができます。アドバイスのレベルには差がありますが、中には書類添削サービスを重点的に取り扱っている転職エージェントもあります。
こうした点を踏まえて、自分の作成した各項目の文章を、プロの目線からみて修正とアドバイスをもらって万全の体制を整えて選考に臨むことによって、転職活動が失敗に終わるリスクを軽減することができます。
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まとめ
転職に失敗しないために気を付けるべき方法について紹介しましたが、多くの点で、転職活動が、新卒の就職活動とは異なることに注意が必要です。
2回目以降の転職希望者はこの点を身に染みて体感していることが多いので問題はありませんが、はじめての場合には、転職を失敗させないためにもきちんとした情報収集をして、自分に適した転職エージェントを選ぶことが重要です。
転職活動を通じて後悔しないようにするためにも、準備にきちんと時間を割いて転職活動に臨むようにしましょう。
