人事担当者が教える「面接官が応募者を見るポイント」

企業にとって面接は、会社に貢献できる人材を発掘することが大きな目的ですから、面接官は短時間で応募者の仕事に対する姿勢や人間性を見抜き、自社に貢献できる人材であるか否かを見極めています。

 

したがって、面接に失敗しないためには、限られた時間内に、面接官に必要な情報を伝え、良い印象を持ってもらう必要があります。

 

面接官が応募者を見るポイントをしっかりと踏まえ、正しく準備して面接に臨むことが大切です。

 

 

 

面接官が見ている応募者のマナー

面接では自己PRや志望動機などを伝えることも大切ですが、その前段として面接官は応募者の「基本的な面接マナー」を見ています。

 

社会人としてのマナーが備わっていないと、仕事においても実績を挙げられなかったり、職場の人間関係に問題が出てくると考えるのは当然のことであり、基本的な面接マナーの部分が、応募者の第一印象を左右することを忘れてはなりません。

 

 

大きな声でハッキリとあいさつ

面接本番になると、緊張してしまい頭が真っ白になってしまう人も少なくありませんが、あいさつは絶対に欠かせてはなりません。入退出する際は当然として、面接会場に到着した時点であいさつするよう心がけましょう。

 

また、あいさつは「大きな声で明るく」が基本です。面接官は、応募者が職場でコミュニケーションがとれる人物か否かをシビアに見ており、「大きな声で明るく」あいさつをすることで、印象は非常に良くなります。

 

 

身だしなみは社会人として適切か

面接では、応募者が入室した際の第一印象は極めて重要です。服装がルーズだったり、清潔感がなければ、性格もだらしないと判断されます。

 

スーツやワイシャツがクリーニングしてあるか、ネクタイが緩んでいないか、靴が汚れていないかはよく確認しておきましょう。

 

また、女性の場合、ネックレスや指輪などの装飾品は控えるとともに、化粧についても清楚で明るいイメージにまとめると良いでしょう。もちろん、男女とも茶髪、香水は厳禁です。社会人としてふさわしい身だしなみを意識しましょう。

 

 

挙動不審な態度はないか

面接官は数多くの応募者を見てきていますから、応募者が緊張でガチガチになることは了知していますし、それだけで不合格とすることはありません。しかしながら、明らかに態度が挙動不審だと、社風に合わないとして不合格にします。

 

例えば「目がうつろ」「面接官と目を合わさない」「貧乏ゆすり」「ずっと髪や顔を触っている」といった態度は挙動不審に思われますので、日頃から意識して改善しましょう。

 

 

遅刻はNG・不可抗力の対応は正しいか

面接会場に遅刻するのは論外ですが、万一、交通機関の乱れなど不可抗力で遅刻しそうになった場合も一報を入れるのがマナーです。特に面接会場に土地勘がないのであれば、一度面接会場を訪れて自宅からの所要時間を計っておくと良いでしょう。

 

また、面接会場には開始時間の10分程度前に到着しておくのがベストです。あまり、早すぎるのも面接の準備ができていない場合もありますので、スタッフに迷惑をかけてしまうこともあります。

 

なお、控室では静かに待機しましょう。他の応募者に話しかけたり、スマホで話すなどの迷惑行為は厳禁です。中には控室での様子を見ている面接官もいます。

 

 

 

面接官が見ている応募者の受け答え

面接官は応募者の受け答えについては、その内容だけでなく、話し方や自分の言葉で答えているのかを見ています。思いもよらない質問をされるとパニックになってしまいますが、小手先の回答をするのではなく、正直に自分の言葉で回答することが大切です。

 

受け答えが解りやすく明瞭か?

面接の受け答えにおいて、最も大切なのは「明るく大きな声」で受け答えすることです。声が小さいだけでも面接官は応募者の「やる気」を疑ってしまいますし、職場で他の社員とのコミュニケーションを取れないと判断される場合もあります。

 

また、想定していなかった質問をされたり、よく聞き取れなかった場合、小手先で回答するのではなく、堂々と「恐れ入りますが、もう一度ご質問いただけませんでしょうか?」と返答しましょう。聞き返すこと自体は決してマイナスではありません。

 

面接官との会話は、応募者のコミュニケーション能力を測る目的も含まれており、質問の意図を正しく理解しないままに答えていると、コミュニケーション能力が低い、論理的でないなどの印象を与えてしまうこともあります。

 

 

まずは結論から話しているか

面接での受け答えでは、面接官に「わかりやすく伝える」ことがポイントになりますから、まずは結論から話すようにしましょう。結論から話すことで、説明もコンパクトになり面接官にも好印象です。

 

反対に結論に至るまでのプロセスから話そうとすると、途中で論点がずれたり、余計な説明が入りがちになり、伝えたいことが伝わらないことになりかねません。

 

 

聞かれたことに簡潔かつ的確に答えているか

面接官からは様々な質問が投げかけられますが、簡潔かつ的確に答えるよう注意しましょう。質問の中には想定していないものもいくつかあると思いますが、慌てることはありません。

 

落ち着いて、頭の中でよく整理してから答えると良いでしょう。

 

面接官は様々な質問を投げかけることで、実は応募者の「聞く力」「まとめる力」「応用力」を試しているのです。したがって、面接官の質問の途中に答えはじめたり、回答のポイントがずれていたり、長々と余計なことまで回答していると面接官に良い印象を与えることはできません。

 

 

「聞く」「話す」際の表情が豊かであるか

面接の受け答えは緊張するものですが、できるだけ表情豊かに答えるよう心がけましょう。もちろん、大げさに表情を作る必要はありませんが、いくら緊張していても、終始、無表情だと面接官は「何を考えているのかわからない」といった印象を持ってしまいます。

 

また、人の話を「聞く」「話す」際には、相手の目を見ることが大切です。また、終始、笑顔を絶やさぬよう心がけましょう。

 

 

 

自己紹介をするときの注意点

面接の冒頭に「自己紹介をしてください」と言われることがあります。非常にシンプルな質問ですが、いざ「自己紹介」をしようとすると、「何を話せば良いのかわからない」といった人も少なくありません。

 

自己紹介は自己PRではないことを理解する

面接では、自分の実績や得意分野をアピールしなくてはならないと考え、自己紹介ではなく自己PRをしてしまう人がいますが、面接官からは質問の主旨が理解されていないと判断されます。

 

自己紹介は「あいさつ」と「他社とのコミュニケーション作り」、自己PRは「能力、実績及び意欲のアピール」だと区別しておくことが大切です。

 

 

自己紹介で話すべき内容

自己紹介は、初対面の人に自分のことを知ってもらうことが目的ですから、名前や出身校などのプロフィールを中心に組み立てます。

 

なお、中途採用の場合は前職や前職を辞めた理由などもまとめておきます。さらに、新卒の場合だと学生時代に取り組んだことや現在の趣味などを盛り込むと良いでしょう。

 

忘れてはならないのが応募企業との接点です。「なぜ、この会社を知ることになったのか」「自社のサービスを利用して感銘を受けた」など、志望動機に通じる内容を盛り込んでおくと、次の質問につながりやすくなります。

 

【自己紹介で話すべき項目】

・大学

・学部

・学科名(中途採用の場合は省略)

・学校で学んできたこと、成果(中途採用の場合は前職での経験)

・学業以外の活動、特技、成果(中途採用の場合は趣味、特技、成果

・応募した企業との接点

 

 

自己紹介は何分でまとめるのが適切か

自己紹介は何分くらいでまとめるのが良いのかは、多くの人が悩むことですが、一般的には1分程度、文字数にして250字~300字くらいが適切です。

 

面接において、自己紹介が1分以上になると間延びしてしまいますし、短いと物足りなさを感じてしまいます。ただし、「30秒でお願いします」「2分でお願いします」といったように、面接官から時分が指定される場合もありますから、ある程度の幅を持たせてまとめておくと良いでしょう。

 

 

面接で失敗しやすい人の特徴

就活の面接というと、誰もが緊張しますし、誰もが仕事に対する熱意をアピールしようとするものです。しかし、必ず失敗する人と成功する人がいるのも事実です。

 

また、面接に失敗する人には共通の特徴があり、繰り返し失敗する傾向が強いので、自分が失敗するタイプになっていないかを見極めておきましょう。

 

 

面接の目的を理解していない人

就活における面接の目的は、会社に利益をもたらす人材を確保することであり、当然、面接官はそういった視点で応募者に様々な質問を投げかけます。

 

ところが、志望理由を聞かれると「自分の夢の実現のため」「自分を成長させたい」といった、独りよがりな回答をする応募者が少なからずいます。

 

こういった応募者は、面接の準備以前の問題として「面接の目的が理解されていない」と判断され不合格になります。まずは、面接の目的、職場で求められる人材を理解した上で、正しく面接の準備を行うことが大切です

 

 

自己主張が強すぎる人

面接官は応募者の「やる気」「熱意」を重要視しますが、自己主張が強すぎる人は良い印象を与えません。聞かれてもいないことを答えたり、自己紹介を求められているのに、延々と自己PRを繰り返す人は「協調性がない」と判断されてしまいます。

 

面接の場は「自己PRの場」ではなく「面接官とのコミュニケーションの場」であると考え、面接官の質問にしっかりと耳を傾け、「自分の言葉で、簡潔に相手の意図することに応える」ことに徹することを忘れてはなりません。

 

面接官は、応募者のコミュニケーション能力を見ているということを念頭において会話を行うように心がけましょう。

 

 

話を盛りすぎている人

面接において、新卒には学生時代に力を入れて取り組んだこと、中途採用であれば前職の実績についてよく質問されます。このとき、話を盛り過ぎてしまうと、後になって辻褄が合わなくなりますから注意しましょう。

 

そもそも面接官は多くの応募者を面接していますから、話を盛っていることはわかっていますし、企業が求めている人材は、他の社員とコミュニケーションを取りながら、地道に仕事をするタイプであることを忘れてはなりません。

 

 

準備不足もしくは間違った準備をしている人

筆記試験は一生懸命準備するのに、面接に対する準備が不足している人は少なくありません。筆記試験に合格した時点で、安心しているのが原因だと思われますが、面接こそ就活の本番だと考えるべきです。

 

また、面接の準備において、自己PRや志望動機といった自分をアピールすることばかり考えている人も面接に失敗する人の特徴です。少なくとも、志望する企業の経営状況や業務内容、経営方針については、しっかりと整理しておきましょう。

 

 

 

面接で失敗しないポイント

面接で失敗しないためには、しっかりと準備をすることは当然として、想定していない質問に対しても、自分の言葉で的確に答える力が必要になります。

 

そのためには日頃から、面接に失敗しないポイントを踏まえ、自分の考えをまとめ、自分の言葉で相手に伝える力を養っておくことが大切です。

 

志望動機を明確にする

新卒にしても中途採用にしても、面接では志望動機は必ず質問されます。志望動機は「なぜ、この会社でなければならないのか」「この会社に入ってどう貢献したいのか」の2点に絞って整理することがポイントです。

 

面接官の目的は「会社に貢献できる人材の発掘」ですから、単に「やる気」や「熱意」だけでは想いは伝わりません。会社に貢献できる人材であることがアピールできるよう、志望動機は具体的かつ明確にしておくことが大切です。

 

自分の言葉で「結論」からシンプルに答える

面接本番では、面接官から様々な事項が質問されますが、まずは「結論」から答えると、インパクトのある締まった回答となります。反対に結論を考えながら答えようとすると、途中で何が言いたいのかわからなくなります。

 

そして、何より大切なのは自分の言葉で話すことです。面接官は模範解答や話を盛った自己PR が聞きたいのではありません。応募者の対応力や人間力を試しながら、自社にとって貢献できる人材なのか見極めていることを忘れてはなりません。

 

 

面接の準備は入念に行う

面接の準備は入念に行うに越したことはありませんが、間違った方向に準備しても意味がありません。とりわけ、よくある質問の模範解答の丸暗記や自分のPRポイントをまとめることばかりに気を取られていると大きな失敗につながりかねません。

 

とりわけ、応募した企業については、インターネットなどで入念に調べ、いつ聞かれても的確に答えるよう準備しておくことがポイントです。

 

【応募する企業について調べておきたいこと】

・経営理念及び経営方針

・事業内容及び最近のトピック

・社長名及び最近の発言

・前年度の業績

・業界内での位置及び将来に向けての課題

 

 

緊張することを恐れない

就活の面接においては、応募者の誰もが緊張します。そして面接の前には「緊張して伝えたいことが上手く話せなくなったらどうしよう」「緊張して頭の中が真っ白になったらどうしよう」と考えてしまいがちですが、緊張を恐れないようにしなしょう。

 

面接官は応募者が緊張することはわかっています。その上で、応募者の本質を見抜こうと、様々な質問をしていますから、緊張していることだけで不合格にすることはありません。

 

ただし、極度の緊張状態だと面接そのものが進行できなくなりますから、模擬面接を行ったり、模範解答を自分の言葉に置き換えるなどの準備を行い、少しでも不安を取り除いておくと良いでしょう。

 

 

おすすめの転職エージェント

転職エージェントは上手に活用すると、面接対策や、準備するべきポイントをアドバイスしてくれます。また、転職エージェントのなかには、模擬面接を行ってくれるところもありますので、有効に活用すれば、転職の成功確率を高めることができます。

 

転職エージェントは、原則、転職希望者からの料金は発生しません。料金は採用する企業からもらうためです。無料で利用できる転職サポートですので、有効に活用しましょう。

 

なお、通常、転職エージェントは、3~4社に登録しておくのがおすすめですので、以下を参考にされてみてはいかがでしょうか。

 

1.リクルートキャリア

転職エージェントの大手と言えば、リクルートキャリアになります。登録者数や、登録企業数も圧倒的に多い業界トップ水準のエージェントになります。

 

また、リクルートキャリアでは、丁寧な面接対策なども評判が良いので、是非、相談されてみるのが良いでしょう。

 

【リクルートエージェント】




 

*外資系企業への転職をご希望なら以下がおすすめです。

【リクルートエージェント】




 

 

2.MS-JAPAN

MS-JAPANは管理部門特化型の転職エージェントです。経理・財務・法務部など、管理部門系部署への転職をご希望なら、こちらがおすすめです。

【リクルートエージェント】




 

 

3.マイナビ

第二新卒専門の転職エージェントならマイナビがおすすめです。若手世代の転職支援として評価が高いのが特徴です。

 

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4.キャリコネ

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<転職エージェントを有効活用する方法>

転職エージェントのメリットを最大限に有効活用!転職希望者に必須の知識をご紹介

 

 

まとめ

就活における面接で失敗しないためには、面接官の目的は「会社に貢献できる人材の発掘」だと理解することです。

 

したがって、面接官は面接での受け答えはもちろん、面接会場に入った瞬間から、応募者の言動を見極めているといっても過言ではありません。

 

面接に失敗する人は、この点を理解しないままに、自己PRの内容ばかりを考えたり、模範解答を丸暗記するといった、間違った準備を行う傾向にあります。まずは「なぜ、この会社でなければならないのか」「この会社に入ってどう貢献したいのか」の2点に絞って志望動機を明確にしておくことが大切です

 

面接本番では、常に明るく大きな声で「結論」から答えることを心がけると面接官に好印象を与えます。また、想定していない質問もありますが、落ち着いて自分の言葉で回答しましょう。そのためには日頃から、自分の考えをまとめ、自分の言葉で相手に伝える力を養っておくことが大切です。

 

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